JAZZ MASTER電装フル交換編

その他

 お久しぶりです、JKです、こんばんは!
冬の寒さも過ぎ、桜は咲き乱れ、窓から差し込む日の眩しさが春の到来を感じさせる時期になってきましたね!
 3月30日といえばそう!アニメ巨人の星の放送開始日ですね!
燦々と降り注ぐ陽光の中、美しく輝く桜色の花弁にも目を向けず、濛々と立ち込める煙の中で熱を放つバットを握りしめ日夜はんだの玉を打ち続ける私にとっては記念すべき日といえます。

 さて、今回リペアでお持ち込みいただきましたギターはこちら!

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サイケデリズムのジャズマスタータイプのギターです!

 ジャズマスターシェイプ特有の流線形のボディに、美しい青が映える素晴らしいギターとなっております。
今回ご依頼いただきました内容といたしましては、内部電装のフル交換にてご依頼いただけました。
  近年ジャズマスターといえばこのメーカーがすぐに思い浮かぶという一品だけにフル交換となるとより気合がはいります!

 まずは弦を緩め、カポタストをはめ込みネックを外してゆきます、
ネックにはシムが仕込まれておりましたが、ネジ穴の位置に穴があけられた高品質なシムが挟まれておりましたので、シムが挟まれておりました位置を記録しておきます。

 そしてピックガードを外し、ポット等の各パーツを順番に外してゆきます

 こっ!これは!!トーンポットに鎮座しておられるのは鵺ではありませぬか!
近年話題のコンデンサーの代替デバイスですが、いわゆる通常のコンデンサのように容量の数値が明記されておりませんので、ポットの定数と鵺とのコンビネーションは実際に試してみるまでは神秘のヴェールにつつまれております。

 アウトプットジャックにも、ピュアトーンの物が使用されておりました。
お持ち込みいただきました型の改造熱を感じ、私の心も燃え尽きるほどヒートしてまいりました。
 このピュアトーンジャックは、スイッチクラフトでいうところのロングシャフトと同じ仕様になっており、ワッシャーを取り付けるねじ切り部の長さが短く、
シールドの出力部が刺さる板バネ部が短くなっておりますので特にSGのような
薄いボディのギターにもお勧めです。

それに加えVOLポットにはスムーステーパーが取り付けられておりましたので音を出してみるのが楽しみです!
 
  細身の単芯の純銀線が使用されておりましたが、細身の単芯線は折れやすく
スイッチ部の陥没によって数本の単芯線が折れてしまっており、音が出なくなってしまっておりました。
  また、スムーステーパーに使用される抵抗の数値が現在つかわれておりますポットの抵抗値に使われる仕様を上回ってしまってしまっておりました。
1M用のポットに数値を設定されていたものと思われます。
ハイパス部のコンデンサーもフィルムコンデンサと思われる高品質なものが使われておりましたが、本来は並列で接続されるコンデンサと抵抗ですが、直列になってしまっておりましたので手直ししていきます。

そして作業の過程を撮り忘れるという愚行をおかしてしまい、
ほぼ完成状態となります。

 今回はポットを両方1MΩへ、配線材はFENDERカスタムショップでもド定番のクロスワイアを全面に使用し各部の配線をいたしました。
 近年ではレギュラーモデルでもほぼ見なくなってしまい、上位のごく一部にのみ採用となってしまっておりますが、シングルコイル系にはやはりこの配線材が合います。
 
 音に関しましては、いわゆるジャズマスターのジャキ!っとした切れの良さが際立つ、爽快感のあるサウンドとなりました。
 また、鵺+1MΩのポットのコンビネーションも所謂1MΩのポットを使用した際の独特のコンプ感のようなものが足され、いわゆる通常のトーンのように甘く絞る用途のみならず、頭の部分に独特のコンプレッションを加えるような利便性もありより音のパレットに彩りを加えてくれました。

  あなたもこの春、はんだごてをしかと握り、伝説の妖怪をその背に溶かし込み、人生のパレットに彩りを加えてみるのはいかがでしょうか。