リッケンバッカーのオデッセイ

その他

 こんばんはJKです!
 最近出張しすぎてる気もしますが、寒い冬に暑苦しい僕ということで、
ここは一つバランスがとれているのではないでしょうか。
 ここで間髪いれず2月17日といえばそう!1800年のアメリカ大統領選挙で
トマス・ジェファーソンが大統領になることが決定した日ですね!
アメリカ独立宣言や奴隷の輸入禁止令などで知られる彼ですが、
彼なくして現在のアメリカ無しと言い切れるほどに偉大な人物であることは間違いないです。
 electr0 harm0nix車のLPB-1のような存在だといえるのかもしれません。
エフェクター界も80年代へ進むにつれラック化、多機能化の一途をたどり、
00年代にはいって1ノブの魅力に皆が気づき再びの隆盛を謳歌しました。
極むれば原点にかえるということなのかもしれません。

 さて、今回ご依頼いただきましたギターはこちら!

リッケンバッカー620

 そう!偉大なるリッケンバッカーです。
エレキギターの黎明期からその存在感を遺憾なく発揮し、
その独特の佇まいは今日まで人々を魅了し続けてきました。
ボディ形状から電気パーツのコントロールレイアウトにいたるまで
オリジナリティの塊のような存在ですね。

コントロールレイアウト

 ポットの配線レイアウトも一見レスポールのようなレイアウトになっていますが、配列はレスポールとは異なっています。
見えない部分ですが、キャビティ内のVOLUMEの配線に関しても
通常のギターのそれとことなり、ジャズベースのような配線構造になっています。この配線方式には、センターポジションでのミックス時の各PUの出力調整が容易な利点があります。

これなんですの

 また、多くの人類が上のノブに関して疑問を抱いているかと思われます。
ハイデッガーも生前はこの存在に対し、時間をかけて考えたに違いありません。
 このノブは、PUセレクターがセンターポジションの時のみに有効な、
いわばセンターブレンドのノブとなっております。
 また専用ケーブルを使うステレオアウトプット仕様等、通常のエレキギターの
レイアウトとまったく異なった設計思想となっております。

 今回はそんなリッケンバッカーですが、1マスターVOL仕様になっていたものを、オリジナルのサーキットへ戻すというご依頼でした、原点にかえるわけですね。

施工前の内部の状態

 作業前には通常の2アウトプットの配線の位置に変更や、トグルスイッチの出力部の使い方、トーン用のコンデンサとブレンダー回路の配線が外されている状態です。

おわかりいただけただろうか、スイッチに伸びる無数の足が端子を絡めとるのを

 今回はあくまでも、元の状態に戻すということがコンセプトですので
かつて配線されていた箇所を特定し、スイッチの出力部をセパレイトしなおして各部を再配線という作業となりました。

  オリジナルの回路へ立ち返ったリッケンバッカー、ポットのコンディションも非常によく、またポジションごとに抵抗値が分けられていたりと考え込まれた見事な設計となっておりました。

 こういった特殊な回路をもったギターでも、お気軽にお問い合わせください。
例えばレスポールタイプのギターにも、このようにジャズベースのようなポットレイアウトにて配線しなおすことも可能です。
 
 オリジナルのままでいたい気持ちと、改造したい気持ち
その2つの間でブランコテイルピースのように揺れ動くのがギタリストなのかもしれません。