
ハイパス回路ざっくり解説
本日はテレキャスターの回路に導入されることも多い、ハイパス回路についてとりあげていこうと思います。
1、ハイパス回路とは
2、お勧めな理由
3、ハイパスコンデンサーの派生編
1、ハイパス回路とは
この回路の仕組みは単純で、VOLポットの入力部と出力部の端子に高音の周波数帯のみを通す逃げ道をつくってあげることで、VOLを絞った際に起こるハイ落ちへの対策や、VOLをあえて絞り高域を強調した音を作ることによって切れのあるカッティングサウンドへと手元で変化させることができるという通にはたまらない一品となっております。

2、お勧めな理由
単純なハイパスコンデンサーの場合、音への変化は大きいにもかからわず、
低予算かつ短時間で改造が可能というお勧めの定番改造の一つとなっております。
またザグリ等の木部加工も必要ないものとなっておりますので、元の状態に戻すことも容易です。

ミニスイッチやプッシュプルポットなどを利用することによって、ハイパス回路のON、OFF切り替えも可能となっています。

スティーヴ・ヴァイやジョーサトリアーニといった著名人のギターにもこのハイパス回路のON,OFFが組み込まれているものがあります。
一部の年代のテレキャスターに標準搭載されていたことが有名で、
その影響もありテレキャスターへの導入が定番となっていますが、
個人的にはVOLポットをより小指で操作しやすいストラトキャスターへの導入もお勧めです。
その年式のテレキャスターには、ポットの数値も1MΩのものが採用されており、より高域に特化した音質となっておりました。
こちらの記事でも紹介させていただいております。
ポットには250K、500K、1Mの数値が一般的なパッシブギターには使われますが、この数値が大きいほど基本的には高音域が強い音質となります。
ハイパスコンデンサーの導入をご検討の際は、是非ポットの定数変更も視野にいれていただけるとよりユニークな改造ができるかと思います。
同じく1MΩのポットが採用されていたジャズマスタータイプのギターなどにも、ハイパスコンデンサーの導入はお勧めいたします。
また、ハムバッカーが搭載されているギターの場合、コイルタップサウンドをよりシングルらしい音に聞こえさせるようないぶし銀な使い方も可能ですので、是非導入してみてください。
3、ハイパスコンデンサーの派生編
高域成分に特化した特性を持つハイパスコンデンサーを使用した、
ハイパスコンデンサーの応用回路としてスムーステーパーと呼ばれるものがございます。
正確には、海外ではTreble Bleedと呼ばれる回路なのですが、
なぜか国内ではスムーステーパーが一般的です。

こちらはハイパスコンデンサーと抵抗を組み合わせることで、
ポットによりVOL変化をよりスムーズにし、VOLを絞った際のハイ落ちに対する対策の両方を兼ねた回路となっております。
こちらの数値は、本来はポットの定数にあわせた数値のものにあわせて作るのがよいのですが、一般的に市販されているスムーステーパーに関しては一般的なポットの定数のどれにも対応できるような数値で設定されていることがほとんどです。
当店ではポットに合わせた数値で、音響特性に優れたスチロールコンデンサとハイグレードな音響向きの抵抗の組み合わせや、ヴィンテージアンプやエフェクターに採用されていたカーボンコンポジット抵抗とビンテージセラミックコンデンサの組み合わせなど、多様な種類からお選びいただけますのでご相談くださいませ。
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