結局ラッカー塗装って一番音がいいの?

その他

いつもご愛読ありがとうございます。

「ラッカー塗装はポリ塗装よりも音がいい」

ギターを続けていくうちにこの言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

そこで今回はラッカー塗装について書いていきます

比較としてポリ塗装、ラッカー塗装、オイルフィニッシュ塗装の

3種類の塗装方法に触れながら検証していきましょう。

ポリエステル、ポリウレタン塗装。

まず最初はいわゆるポリ塗装といわれる塗装です。

硬度はガラス並みといわれており、かなり強い塗装です。

また、完全硬化が早いという特徴もあり楽器としての安定期に入るのも早いとされています。

経年変化等はしづらいですが、紫外線などにあたると黄ばんできたり
ぶつけるとぶつけた部分がパリッと剥がれたりしてしまうため注意が必要です。

後述いたしますがゴム製品などでの化学反応が起きづらいため、

割りとラフに扱えるメリットもあります。

バッカスのユニバースシリーズやグローバルシリーズで採用されております。

ポリエステルとポリウレタンの違い

・ポリエステルは短時間で分厚い塗膜を形成できるため、製造コストが安く、安価な入門モデルに多用される。

・ポリウレタンはポリエステルと似た性質を持つが、
より薄く仕上げることができ、また柔軟性のある塗膜を形成できる。

ラッカー塗装

続いては今回の主役ラッカー塗装です。

正式名称はニトロセルロースラッカーといいます。

高級ギターやハンドメイドギターメーカーなどが採用していることの多い塗装で

経年変化が楽しめ、長年使用するとユーザー特有の風合いとなります。

完全硬化に時間を要しますが、木材の乾燥と鳴りと塗装の変化を楽しめるのもポイントです。

完全硬化とは要するにラッカー塗装の場合シンナーが含まれているため、

そのシンナーの揮発していくのに時間がかかるということです。

ラッカー塗装はゆっくりと硬化していき、当初の厚みよりも薄く硬くなっていきます。

その際に塗装にひび割れが入ったりする現象をラッカー痩せといいます。

いわゆるクラックといわれる変化です。

このラッカー塗装がより固くなっていくことで、ギター自体の振動、

つまり、ボディー鳴りがよくなっていきます。

音響特性としては、楽器本体がしっかり鳴ってくれる方がいいです

MOMOSEのモデルにトップラッカーが多く採用されております。

注意点としては、ゴム製品などに長時間触れると塗装が変色してしまったり、剥がれてしまう点です。

ラッカー塗装とゴム製品が化学反応により変色などを起こすそうです。
スタンドに長時間立てかけていたら、変色してしまったなんて話はよく聞くものです。

対策としては、スタンドにギターブラジャーを付ける 

(まったく反応が起こらないとはいいきれませんが)

ハーキュレスなどの吊り下げ式などのスタンドは専用のギターブラジャーが少ないため、

ギターとスタンドの接触する場所に包帯などをスタンドに巻いておくのも一つの手です。

クロスなどは色がついているため色移りしてしまう可能性があります。
(筆者はネック部に黒のクロスをかませていたら、色移りし長期入院です…)

オイルフィニッシュ塗装

最後はこちらの塗装、オイルフィニッシュです。

特徴としては、木材の手触りが楽しめる塗装となっております。

木工の仕上げ磨き後に特殊な塗料を浸透させ、更に磨き上げます。

その塗膜は非常に薄く柔軟性があり、木材の鳴りをほぼ100%発揮することができます。

バッカスのハンドメイドシリーズ等などに多く採用されております。

そのため、日頃の演奏により「すれ」や「キズ」 が起こりやすく、余分な吸湿と色落ちの原因になります

傷等はつきやすいですが、ラッカー同様に経年変化を楽しめる塗装です。

メンテナンス方法としては凝固して防湿を計るワックス成分を含んだオイルフィニッシュ用の製品を使用しましょう。

専用の物でないワックスやポリッシュには研磨剤が入っており、楽器を傷付けてしまうので絶対に使用しないでください。

まとめ

題名にある「ラッカー塗装はポリ塗装よりも音がいい」

これに関しては、筆者の見解ですが、ポリ塗装はラッカー塗装と比べ
どうしても塗膜が厚くなってしまい木材の乾燥がしづらい点があります。

そのため、 そう言われるようになったのかなと

ですが、 現代の技術では、ポリ塗装もラッカー塗装並みに薄く仕上げることが可能になりました。

かの有名なギターメーカーPRSは、美しい見た目を維持したいとの創設者の意志により

一貫してポリ塗装を貫いています。

ハンドメイド工房などでは、ポリ塗装のほうがラッカー塗装よりも

コストがかかる場合もあるという ブログも散見されます。

経年変化がしづらく美しさを保てるポリ塗装

経年変化も一つの楽しみと捉えるラッカー塗装

これは好みの問題ですよね。

塗装もメリットと捉えるかデメリット捉えるかは人それぞれの奥深い世界

みなさんのお気に入りの塗装は何ですか?


修理・調整・改造のお問い合わせは当店にて承っております。
お電話もしくは、こちらの専用フォームからお気軽にお問い合わせ下さい。

ソアーミュージック
Tel 078-222-7721 (受付時間 10:00-19:00 ※日曜定休)
〒651-0093 兵庫県神戸市中央区二宮町2-6-18 1F

ディバイザー製品専門店 SOAR MUSIC バッカス堂
取扱ブランド Bacchus / Momose / STR / Headway 他

リペア修理

音楽スタジオ

音楽教室