リペア作業日誌~フレット交換~

リペア作業, 改造, 調整作業

毎度ご愛読ありがとうございます。
リペア担当の平です。

今回はフレット交換の様子をご紹介。
(度々記事にしていますが…)

今回の患者さんはフレットがかなり摩耗しているご様子。

いきなりの余談になりますが、
フレットの素材はニッケルシルバーという合金でできています。

そのフレットにこすり合わされる弦は、
巻弦がニッケルの合金、プレーン弦がスティールでできています。

フレットのニッケルシルバーもニッケルの合金ですが、
含有率の半分以上を銅が占めており、柔軟性の高い金属となっています。
スプーンなどの食器にも使われる素材なので、
柔らかさは何となくお分かりになるかと思います。

それに対しニッケルやスティールは比較的硬質な金属なため、
より柔らかいフレットが摩耗してしまうというわけです。

ちなみにそんなフレットの摩耗を防ぐために、
ステンレスのフレットなんかも存在します。

お話を戻しますが、今回はそんな摩耗したフレットを
新品のフレットに交換する作業になります。

まずはフレットを全て抜いてしまいましょう。

指板を傷つけないよう慎重に抜いたら、
次は新たに打ち込むフレットを用意します。

なお、今回の患者さんは指板の両脇に、
バインディングという保護 兼 装飾が施されています。
(側面にある細い白いやつです。)

このバインディングがあると、
フレットを打つ際フレットのタングに干渉してしまいます。

フレットの各部位は、弦に触れる丸い部分のビート、
指板に埋まっているタング、タングが抜けないようにするスタッド
とそれぞれ呼ばれます。

このスタッドが、バインディングと干渉してしまい、
うまく指板に埋まることができません。

そのため、バインディングと被るフレットの両端は
タングをカットする必要があります。

そんなときに登場するのがこの秘密道具!
その名も「タングニッパー」です!

このしゃくれたアゴでタングを噛みちぎります。

噛みちぎられた後がこちら。

フレット全てのタングを処理した後、
指板に打ち込んで若干すり合わせて磨き上げれば完了です。
(作業風景は割愛)

新品のフレットは運指もスムーズで気持ちがいいですね。

あなたも摩耗したフレットでお困りの際は、
是非フレットの交換をご検討ください!



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