ポットってどうやって選べばいいの?

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毎度ご愛読ありがとうございます。

リペアスタッフが変わりまして、電装を担当させていただいております、
万次郎です。

ギターのボリュームやトーンに使われているポットには、
意外と種類があり、交換することで音色が変化したりもします。

今回はそんなポットについて簡単に解説していく記事の
アップデート版となります。

1.まずポットには抵抗値が決められています。

Ωで表すあれですね。

ギターやベースでは250Kと500Kが主流で、
シングルピックアップには250K、ハムには500Kを使うのが一般的ですが、
テレキャスターの場合1M(メグと読みます)を使用することもあります。

ではこの抵抗値で何が変わるのか。

それは高音域と低音域の出かたです。

抵抗値の値が小さいほど高音をカットし、低域を通しやすくなっています。
逆に数値の大きいものは高域を通しやすく、低域をカットする傾向にあります。

そして250Kと500Kを使い分ける理由もここにあり、
「高域の強いシングルには高音を逃がす250Kを」
「低音が強く高域の弱い強いハムには高音を逃がしにくい500Kを」
右手に盾を、左手に剣をみたいな感じですね。
というのが一般的には定番となっています。

しかし、実際にはハムだから、シングルだから、ではなく、
実際のピックアップの特性にあわせて、ポットの定数を選んであげるのがお勧めです。
ハムであっても高域が非常に強いものや、シングルであっても高域の弱いものもあり、奥深いものとなっております。

ジャズマスターや、古い年式のものを意識したテレキャスターの場合、
ジャキジャキとした質感を求める場合は1MΩのポットを高域の強いシングルにあえて使用することでより高音域を強調したサウンドとなります。

さらにここに、ハイパスコンデンサと呼ばれるものを加える場合もあります。

2.抵抗値の他に、カーブというものがあります。

一般的にはAカーブ、Bカーブ。
まれにCカーブやDカーブなんてのもあります。
(ギターで使うことはほぼありませんが)

このカーブというのは、ツマミを回した時の抵抗値の変化のしかたです。

ボリュームだと、ツマミを回すと音量が変わりますよね。
つまりこの音量の変化のしかたがカーブです。

数値的には、Bカーブは直線的に変化し、
Aカーブは上げるほど変化が大きくなります。数学の2次関数的な感じです。

しかし、人間の聞こえ方は少し違い、Aカーブの方が直線的に聞こえ、
Bカーブの方が0付近での変化が急に聞こえます。

現在の主流は、ボリューム:Bカーブ、トーン:Aカーブ、ですが、
ボリューム奏法をする方や、演奏中によくトーンをいじるかたは、
好みのカーブに変えてみるのもいいかもしれませんね。

※あくまでも経験上の主観となりますが、0~3あたりの変化をスムーズに行いたいVOL奏法のナチュラルさを好みの方はAカーブがお勧めで。
歪の量を7~10あたりでコントロールしたい人にはBカーブがお勧めです。

また、スムーステーパーといわれる、抵抗とコンデンサによる組み合わせでつくられたものがあり、それをいれることでポットを絞った時のハイ落ちをなくし非常にスムーズなVOL変化に変化させるものもあります。
スムーステーパーは取り付けや取り外しでのお試しが簡単なので、
ぜひ一度体験してみてください。
当店では非常に高品質なオーディオ用抵抗とコンデンサを使用し、
市販品よりもグレードの高いスムーステーパーをポットの数値ごとに製作可能です。

3.ポットのサイズに関して

ポットにはインチとミリ2種類の規格が存在します。
一刻も早く、すべてがミリ単位で統一されることを願ってやまない万次郎ですが。

この規格の違いによりシャフトの太さが変わってしまうので、
いざ交換する際に、コントロールプレートの穴と合わない、なんてことになってしまいます。

有名なアメリカのブランドCTSのポットはインチ規格で、
シャフトの直径は9.4Φ、ノブを取り付ける部分は6.35Φとなっており、
国産のポッドなどはミリ規格で、
シャフトの直径は7.9Φ、ノブを取り付ける部分は6Φとなっています。

最近ではCTSにもミリ規格のものが出ていますね。

また、ポット本体のサイズにも種類があり、
CTSや国産の物だと24Φが多く、その他に16Φがあります。

そのため、小さいサイズから交換する場合、
キャビティが狭く入らない場合があるので注意が必要です。

※万次郎View 最近ではCTSにも、小型サイズのものが数種類でており、
以前は一強状態であったCTS帝国に対し、非常に高品質なBOURNSや
圧倒的耐久力と考えられた設計で挑戦状を叩きつけたDUNLOPのスーパーポット等がいます。

特に長らくチョイスの幅がなかったスイッチポット界に、いままでと同じサイズで高品質なものを提供してくれたBOURNSはスイッチポットのベストチョイスといえるかもしれません。
また、CTSのスイッチポットも近年ではメジャーになっており、サイズさえ気にならなければCTSの軍勢を形成することも可能です。

特にBOURNSのハイグレードポリマーポットや、DUNLOPのスーパーポットは音質、耐久性ともに最高峰で、お値段も通常のポットの倍程度しますが
その耐久力や音質は折り紙付きです。
BOURNSのハイグレードポリマーポットは扱っているリペアショップもそこまで多くないと思いますので、是非一度当店にご相談ください。

このように、ポットにもさまざまな種類があり、
一部ではシャフトのまわり具合まで気にする方もいます。
※万次郎主観ではCTSカスタムポットはトルクが重めで、へそありと呼ばれるものはトルクが軽くなっています。
BOURNSの通常ポットはCTSとへそありCTSの中間に位置するトルク感があります(個体差があります。)

あなたのギターに付いているのはどんなポットですか?

交換をご検討の方はぜひ当店にお問い合わせください!!
スムーステーパー改造や、高級ラインでも採用されていないカスタムポット
スイッチポットの仕様等なんでもご相談くださいませ。


修理・調整・改造のお問い合わせは当店にて承っております。
お電話もしくは、こちらの専用フォームからお気軽にお問い合わせ下さい。

Tel 078-222-7721 (受付時間 10:00-19:00 ※日曜定休)
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ディバイザー製品専門店 SOAR MUSIC バッカス堂
取扱ブランド Bacchus / Momose / STR / Headway 他

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3 comments

  • 突然ですみません、約40年前のムーンのベースを使っているのですがボリュームポットがノイズを出しているので交換をしたいと思うのですが、ネットでこの説明を見て参考にとおもったのですがポットにT015A25K9412の刻印しかないのでどんな種類を購入すればいいのかわかりません。お勧めを教えていただければ幸いです。

    • お返事が遅くなってしまい、誠に申し訳ございませんSOAR MUSICです。
      お問い合わせいただきましたポットに関しましてはアクティブサーキットが搭載されているモデルでお間違いないでしょうか。
      その場合ですと25KのAカーブのポットの可能性がございます。
      また、どの個所に使用されておりますポットかによりまして、センタークリックがあるものの場合がございます。
      当店にお問い合わせの形式にて直接お写真等のご連絡をいただけました場合、より正確なお返事ができるかと思われます。
      ご自身で交換をご検討の際は、ポットに取り付けられている線をいったんすべて外し、
      テスターにてポットの抵抗値を測定いただくのが一番正確なやり方かと思われます。
      何卒よろしくお願いいたします。

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